モノツクリ雑記 

雑記ブログ

移住

 退職して暇で死にそうだったので以前作ってあったロボット兵をジオラマ化してみました。何か侘しそうに一人でぽつんと佇んでおりましたので。背景の建物は古代、中世の城や寺院の遺跡をイメージしてスタイロフォームを切り出して製作しました。ええ、簡素です。朽ち果てた遺跡と寿命が尽きたロボット兵に草木が這い蔓が巻き付いてゆく栄枯盛衰、諸行無常がテーマです。兵どもが夢の跡というわけであります。

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引っ越しでボロボロに崩れないか心配です。既にぼろぼろですが。

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このブログを見た人は是非引っ越し手伝ってくださいね。業者に頼むので要りませんが。

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※△▼!

英国軍紳士 

 英軍巡行戦車クルセーダーMk.3を製作。クルセーダーとは『十字軍』を意味するらしい。WWⅡ北アフリカ戦線で活躍した車両である。同時期にカヴェナンターという巡行戦車も作られていたけど実用に堪えない代物だったので「俺達に任せろー」とばかりに戦場に投入された経緯があるようだ。「故障やら人数制限やら困難もあったけど私は元気です。」数々の問題点はあったものの結果的に得意の機動力を活かしてチュニジア戦まで奮闘したのである。六角形状に角張ったデザインの砲塔が印象的であり、これが被弾の衝撃を和らげてくれるのだという気がする。が、正面が断崖絶壁のように垂直でそういうわけでもないのかしらと思い直す、何かもやもやとした感じの残る変態的デザイン…いや、カクカクとしたテイストで英国軍っぽい凛々しさを漂わせる戦車である。


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kappa

 

 御無沙汰気味で候。前回は七月に更新だったのか。陽明門にかなりの製作エネルギーを費やして、なかなか次へと触手が伸びなかったのだ。あれは一筋縄ではいかない“鬼”であった。“鬼”を討ち取った私は其れが完成した途端に全くの抜け殻になったのだ。それから徐々に気力を取り戻し、また製作をやりだすとその妙味にふと気付かされた。模型製作は私の足りない何かを埋め合わせてくれるような代物であったのかもしれないと。

 今回製作したのは河童である。…そう、河童。福崎町観光協会が町おこしとして発売したプラモデルである。名前があるようで「ガジロウ」というらしい。一般的に河童は全体的に緑のイメージがあろうがこの河童は赤だ。それもどぎつい赤だ。ゆるキャラだがゆるくないね、むしろグロ…よりである。しかし、それが良い。
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 私の持つ河童のイメージは遠い昔、遥か彼方の銀河系で…………、幼児期に観たざわざわ森のがんこちゃんで登場した河童である。「カッパ64~」とか言ってハイテンションなおじさん声で登場したにも関わらず、見た目はキュートな姿の河童がムダに忘れられないのだ。ギャップ萌えした人達も少ない筈。 

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 さてさて、話は戻る。箱の裏面に部品の配置図があるだけで説明書は入ってない。まあ部品数も少ない。物語が書かれてある。二匹の河童が悪さをするので子供達から嫌われ無視されて、それに傷付いた河童兄弟が謝る為に民俗学者柳田國男先生をずっと待ち続けているという設定らしい。地上にいた兄のガタロウは頭の皿が干からびて仮死状態、弟のガジロウはぬくぬくと池の中、それぞれ帰りを待っているらしい。誰かこの河童兄弟に言ってやってくれ、柳田國男先生はもうこの世には居ないことを。そして、子供に謝るべきではなかろうかということを。

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はい、ドン。

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ギロリ…。

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グワッ…。

 手に持った二つの玉、頑張って集めたドラゴンボールでも鬼退治用の吉備団子でもない。尻子玉である。もしかしたら諸君にも有るかもしれない。いや、ない。肛門内にあるとされる架空の臓器である。河童は尻子玉が好物らしいので、万が一出くわした際には与えてやると吉。ないけど。

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 台座も付いていたが、川に棲む河童をイメージしてジオラマ仕立てにした。土台に壁用補修剤を盛り付けて青系や緑系で着色した後、テクスチュアジェルで表現した。白波の表現の仕方ってセンスが問われるね。

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 河童というのは元を手繰ると安倍晴明式神であるとか、間引きされて河辺に棄てられた子供の遺体であるとか、水害対策としての生け贄とされた者の姿であるとか多種多様な説があり、どれも興味深い。河童が水難事故を防ぐ為の警告的な存在だとすれば何か感心というか腑に落ちるような心持になるものだ。妖怪という存在、それは即ち自然への原始的な信仰、畏怖の形であったのだろうと私は思う。

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 何か荒んでて健康状態がよく無さそうな河童に見える。お世辞にも組みやすいプラモデルとは言い難いが独特なデザインや珍味という価値が十二分に発揮されている。福崎町観光協会シリーズ、他にもプラモデルがあるので其方も今度作ってみようかと思っている。それでは皆さん、さよなライオン。
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建築モデルシリーズ、第3弾。フジミ模型の『日光東照宮 陽明門』を製作。えーと…これは、かなり手間がかかるプラモデルですね、はい。今年の四月半ばに注文して届いてから空いた時間に不器用なりにチマチマ作業していたが、やっと一応完成したのが今時分ってわけ。超超超遅いよね。ノロマにも程がありますが作業再開するのは気分次第であります。何に時間がかかるってズバリ塗装ですわな。製作時間の八割方、塗装って感じですな。日光東照宮行ったことないんですが、陽明門ってこんなに緻密で芸術的な装飾の施された門だったんだと思い知らされました。たかが門、されど物凄い意匠が凝らされた門であります。家康公を東照大権現(神)として祀った霊廟である事は言うも更なりでありまして、陽明門の正面の勅額にも『東照大権現』ってなんとなく描いてありますね。

製作行程を載せます。

はい、これを描いていきます。硬貨の紋様よりも幾分細かいような気が致します。

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始めから金メッキ塗装してあるのでメッキを落としてから塗装に入ります。

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一気に飛びますが。描かれているのは牡丹。塗装の手引きなるものがカラー写真で付録されていますが、現在の実物とは少し違うようです。過去のモデルだったのかもしれません。

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非常に細かくて筆を入れていくのが難しい。

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様になってきました。

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こちらからが完成形に御座います。

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ナルシシズムっぽく色んな角度から撮って陶酔してみたくなるのです。悲しいかな、画像は少し荒いけれども。


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彫刻や絵画、その造形美に感嘆を禁じ得ません。
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一日中見ていても飽きが来ないことから「日暮御門」と称されるその絢爛豪華な門の佇まいは活気のあった桃山期の名残を感じさせており、家康公の天下ともに織豊政権の栄華と隆盛をも民によって想い浮かばれたことでありましょうな。いやはや天晴れ。また今度!

 

 

 

 

 

 

半生

 

肉体はいつかの若さだけを取り残して、精神は屈折し疲れ果てた変な老人になってしまった。この相互の軋み合う感覚がいつまでも私の内の深い部分に根を下ろし、指針のように時を刻み続けている。 

『夢現』

「私、おかしな夢を見ましたわ。」

と、言った葉子は静まり返った暗闇のなか、ベッドの上で徐に裸体の身を起こした。

「夢…?一体どんな夢を見たっていうんだい。」

と横から覗き込むようにして倉谷が不思議そうに聞き返した。カーテンの隙間からは月明かりが仄かに部屋を照らしていた。窓の方を見つめる葉子の後ろ姿は暗くて判然としない。だが、葉子はどこか儚げな印象を描くように華奢で柔和な形状の体つきであり、艶やかな長髪の滴りかかったその前方には調和のとれた小じんまりとした乳房が保たれてあり、すらりとした脚には月明かりと相まった美しい肌の白さが如実に表れていた。 

「私が死んだ後の世界ですわ。」

 葉子はそう答えると、一旦踏みとどまり、気を持ち直してまた歩みを進めるかのように長々と語り出した。

「死んだ後、私は川の畔に立っていて川岸の向こうには人影が見えましたの、現れたその人は…、今となっては懐かしい人でして……あれが三途の川かしら。橋が掛かっていて普通は渡るんでしょうけど。でも、私、川の流れてくる先がどこに繋がってるのか途端に気になり出して、手招いていたその人には申し訳ないけど無視して川沿いを歩いていきました。沢山の草花が生い茂っていて河原には小石が積み上げられていたのをよく見かけましたわ。いつの間にか辺りは仄暗く深い森に囲まれていて、たしか…何かに導かれて夢中で歩き続けていたかしら…。やがて、さざ波の音が聞こえてきて右手には何艘か渡し船が見えました。あらゆる事物を包み込んでしまいそうな黄昏の空と白波の立った荒れた海、陸では何かを囲んで群衆の列が果てしなく続いていましたわ。本当に私、驚きましたの。怪しく思いながらも並んでみることにしたけれど、あることに気付きました。一つ前で並んでる人の容姿が私と瓜二つなんですもの。どうやら誕生してから死ぬまでの“私”が並んでいる様でした。他の人も同じではないかしら。霊魂になった私って一体いつの時代の“私”をいうのでしょう。列の真ん中には大きな白い椅子とそこに座っている一人の人物が見えました。一目見てなにか…神聖で…侵すことのできない存在なのかもしれないと思いましたの。あの光景が異国で信じられている最期の審判というものかしら…。異国の信仰について詳しいことは私、存じませんわ。でも、生まれてから死ぬまでの年齢の“私”がその列に加わっているんですもの。その審判を受けるまでの間のことを思うと私、気が遠くなるような心地がして、そこから逃げ出したんです。走っている間、なにか背徳のような心が芽生えましたわ。そして何者かに追われているような気にもなって…、私、来た道を必死に引き返しました。すると、そこで目が覚めましたの。」

 葉子はここまで語った後、ベッドに横たわり再び眠りに着いたのである。朝、目覚めると倉谷の傍らに眠っていた筈の葉子の姿はなかった。倉谷は暫くぼんやりと佇んだままだった。それまで滞っていた血流が再び活動し体内を巡り巡ってゆくように彼が正気を取り戻すまでには多少の時間を要した。彼女を喪ってから一年が経過していた。窓越しに外を眺めると、紺碧の空は高く位置し遠くまで澄み渡っていた。風が微かに吹きつけて揺れ動いた白樫の若葉が一枚舞い落ちてゆく光景が倉谷の瞳に何処となく鈍重に映り込み鮮烈な印象を与えた。時の流れが恰もその須臾の為に遅れていたかのように。数日前までさんざめいていたほどの蝉時雨はいつしか陰を潜め、物淋しげな蜩の鳴き声が控えめに響き渡り、倉谷の哀愁を誘いつつも初秋の訪れを告げていた。 

 

 

 

 

 

ミニチュアSW

 バンダイ製のSWビークルシリーズ製作。これは掌サイズのミニチュアなプラモシリーズ。

 第一弾、墜落しているスターデストロイヤー。惑星ジャクーのシーン、ep7。
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肝心のスターデストロイヤーさんは殆ど砂漠の波に埋もれていて味気ないので、ちょこんと添える申し訳程度の草花を。適当にとの粉を盛り付けたけど砂漠って何でやったらいいんだろ…。あんまりこのシーンのジオラマやってるブログを見かけないんだよ、私ぐらいか?
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第二弾、ミレニアムファルコン。掌サイズでこの緻密な造形には本当に感嘆を禁じ得ないね。墨入れとウォッシングで本当に活き活きしてくるんだよ。

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 第三弾、AT-M6(全地形対応メガキャリバー6)。新惑星クレイト、ep8。

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 背中に乗せている米俵みたいなのはメガキャリバー6キャノン。ゴリラをイメージしているらしい。前足が確かにゴリラっぽいかも。一面真っ白な地表から噴き出す赤々の粉塵と煙のシーンは印象深かったけど、あれはボリビアのウユニ塩湖で撮影が行われたらしい。今は結構有名だろうし、納得。100均の綿を着色したもので再現。

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でわでわ。